有効求人倍率が1倍を切っても採用が成功しない3つの理由

世界中で感染が広まった新型コロナウィルス。ここ沖縄でも例外なく猛威を振るい、主要産業である観光産業にも大きな打撃を与えました。その影響により沖縄県の有効求人倍率は今年4月に0.91倍と1倍を切り、7月には0.67倍と低下が続いています。

有効求人倍率が1倍を切り採用しやすい環境となりましたが、「思った通りの活躍ではなかった」、「採用したがすぐに辞めてしまった」など、すべての企業が採用を成功させているとは限りません。ここでは有効求人倍率が1倍を切っても採用が成功しない3つの理由をお伝えします。

採用が成功しない3つの理由とは

採用が成功しない理由は以下の通りです。

  • 求める人材要件が明確になっていない
  • 採用基準が曖昧
  • 入社前と入社後で企業の印象や仕事内容にギャップがある

それぞれについて説明していきます。

求める人材要件が明確になっていない

まず、有効求人倍率が1倍を切るということは、仕事を求める人が求人数より多いということです。例えば、7月の有効求人倍率は0.67倍でしたが、これは仕事を求める人100名に対して、求人数は67名分しかないということになります。ということは1つの求人に対して、複数の応募が来る確率が高くなります。

企業としては一見よさそうに見えますが、実はデメリットもあります。それは求めるターゲット以外からの応募が増えるということです。

企業によってはたくさんの応募者から選ぶことが、良い人材を採用するためには必要だと考えている場合もありますが、応募が増えるとその分応募の受付や応募者とのやり取りなど業務が増えていきます。ただでさえ忙しい採用担当者はますます忙しくなり、業務に埋没していきます。

そうなると応募者への連絡が遅くなったり、フォローが疎かになり、良い人材だと思った応募者から辞退されることが多くなります。最終的には残った人から採用しなければなりません。

ではどうしたらターゲット以外からの応募を減らせるのか。それは企業が求める人材要件を明確にすることです。人材要件とはスキルや能力、経験年数や資格の有無などですが、こういったものを明確にすることで、応募者のセルフスクリーニングが働き、求めるターゲット層以外からの応募を減らすことができます。

採用を効率よく成功させるためにも自社が求める人材要件を明確にしていきましょう。

採用基準が曖昧

入社後配属された所属長から「どういう基準で採用したんだ?」と迫られたことはありませんか。

現場では新しい人材が入ってくることを楽しみにしています。入社後のオペレーションをイメージをして、受け入れる環境を整えて準備していきます。しかし、それが期待外れだったらモチベーションも下がりますよね。

これは先ほどお話した人材要件が明確にされていないということにも繋がりますが、どういう人を採用するかという基準が曖昧だと、面接官の主観に左右され、人材の質にバラツキが生じます。

私も以前勤めていた会社で新卒採用を担当していたとき、最終の役員面接である学生の合格・不合格が半々になるということがありました。同じ面接に立ち会い、同じ話を聞いても意見が真っ二つに分かれるのです。

人が人を面接する場合は、バイアス(先入観、思い込み)が生じます。これは完全には排除できませんが、評定誤差を低減させなければなりません。そのためには、どういうバイアスがあるのかを認識し、採用の基準を明確にすることが大切になってきます。

入社前と入社後で企業の印象や仕事内容にギャップがある

求職者の視点から見ると、就職活動には2つの難しさがあります。

一つ目は、短い期間で企業を選ばなければならないということです。新卒採用においては、3月に企業告知が開始され、6月には選考が始まります。企業研究期間は3カ月しかありません。また、転職活動では、自分にとっての都合のいいタイミングと企業側にとっての都合のいいタイミングが限られ、意思決定の速さが勝負となります。

二つ目は、入社しなければ入社後のことはわからないということです。入社前から企業のことを深く知ることは難しく、新卒採用だとインターンシップをとおして、企業に触れることはできますが、中途採用ではほとんど企業に触れることなく入社を決めてしまいます。

入社後のギャップを避けるためには、選考過程でポジティブな面だけではなく、ネガティブな面も事前に開示することが重要です。また、仕事内容についてもしっかりと伝えることもとても重要です。

入社後に「募集時の業務と違った」、「残業が多い」、「休日出勤がある」などのいわゆるミスマッチで退職されると、企業側にとっても求職者にとっても不幸なことです。

求職者の立場に立って、会社のポジティブな面だけではなくネガティブの面もしっかり伝え、また、仕事内容など求職者にとって重要な情報は十分に開示し、伝えるようにしていきましょう。

そもそも採用の成功とは…

私たちが考える採用の成功とは、採用できた人数ではなく、「戦力化×定着」だと考えています。しかし、採用担当者としては必要人数を採用することが目的になります。人手不足の現場からはいつ人が来るんだとプレッシャーが掛かり、求人広告を出しても応募が乏しく、費用対効果に対するプレッシャーも抱えています。

私たちCavitteではそれぞれの企業が求める人材を採用するお手伝いを致します。

人材要件や採用基準の設定、採用業務の一部代行など、企業が抱える課題に合わせた解決策をご提案致します。

ご興味ある方は是非一度お問い合わせください。