”採用コスト”と”採用工数”の関係性を知っていますか。これを知ればどこにコストを掛けるべきなのかが解ります。

採用には必ずコストが掛かります。コスト0円で採用することはできません。なぜなら広告費を掛けていなくても、求人原稿を作成したり、面接や応募者とのやり取りなど採用担当者の業務には見えないコストが掛かっているからです。

では私たちは採用の何にお金をかけているのでしょうか。それはズバリ”採用工数”です。

ここでは採用活動のプロセスから”採用コスト”と”採用工数”の関係性を紐解き、私たちはどこにコストを掛けるべきなのかを考えていきたいと思います。

採用活動プロセスについて

採用活動のプロセスには、以下のように①認知 ②興味 ③検討 ④応募 ⑤選考 ⑥入社に分けることができます。そして、それぞれのフェーズを意識した行動が求められます。

この図を見ても分かる通り、採用の第一歩は”認知”からスタートします。基本的には、①から⑥に進むにつれて人数は絞られていきますので、採用を実現するためにはより多くの求職者に自社の求人を知ってもらう必要があります。

例えば、ある企業が採用コストを削減するため、求人広告媒体への掲載をやめることにしました。ただ、採用の第一歩は認知から始まりますので、どうにかして求人情報を広げなければなりません。

採用担当者は自社ホームページに求人情報を出して、それをSNSを使って発信しようと考えます。確かに外部コストは掛かりませんが、これで採用するためにはそれなりの時間と工数が掛かります。採用担当者は、採用以外の業務もあるのでかなり負担が大きくなり、途中で止めてしまいました。

もうお気づきだと思いますが、採用に掛けているコストと、採用工数には大きな関係性があるのです。

“採用コスト”と”採用工数”の関係性

下の図は採用コストと採用工数の2軸で作成した採用手法のマトリクスです。
これを見ればお分かり頂けると思いますが、採用コストが低い手法は採用工数が多くなり、逆に採用コストが高い手法は、採用工数が少なくなります。

それぞれの領域について解説していきます。

※あくまでも個人的な視点でのマッピングになりますので、参考程度にご確認ください。

■採用コスト 低 × 採用工数 多

この領域に当てはまるのは「ソーシャルリクルーティング」や「Indeed等のアグリゲーションサイト」になります。採用コストは低く抑えられますが、定期的な情報発信やコンテンツの作成など、かなりの工数がかかります。またIndeedなどは無料でできますが、多くの企業が使っているため、上位に求人情報を掲載させるなど、求職者に届く工夫をしなくてはなりません。そのためにはCTRのチェックを毎日行い改善する必要があるので、マーケティングのノウハウも必要になります。ただ、転職を積極的に考えていない潜在層へのアプローチや、自社に興味をもってもらうための仕組みづくりには適しています。

■採用コスト 高 × 採用工数 多

この領域については、完全ではありませんが、「ダイレクトリクルーティング」や「スカウト型の求人サイト」が多少当てはまるのではと考えています。まず工数でいえば、直接スカウトメールを送るという点になります。一般的にスカウトメールの開封率は30~40%、返信率は10%以下、応募率は更に低くなりますので、採用するためにはより多くのスカウトメールを送る必要があります。またコストの面でいえば、求人サイトのスカウトはオプションになることが多いため、割高になることがあります。ただ採用が難しい職種や知名度が低い企業などについては、スカウトメールは必須なので、必ず活用した方がいいでしょう。

■採用コスト 低 × 採用工数 少

この領域に当てはまるのは「ハローワーク」や「リファラル」、「求人広告」です。ここは採用コストが低く、工数もあまりかからないのですが、母集団形成も難しく、求める人材に出会う確率も低いのが特徴です。この場合は単独ではなく、いくつかの手法を組合せて行うことが必要になります。

■採用コスト 高 × 採用工数 少

この領域に当てはまるのは「人材紹介」です。これは人材紹介会社が自社に合う人材を紹介するため、採用に掛かる工数は少なくなります。特に採用難易度の高い職種や、ハイスペックな人材の採用を考えている企業は、コストは掛かりますが、人材紹介を活用することをお勧めします。

自社のリソースをチェックし、どこにコストを掛けるが考える

これまで、”採用コスト”と”採用工数”を軸に、様々な採用手法について見てきました。前段でも申し上げましたが、採用コストはゼロにはできません。求人広告など外部コストを減らしても、その分内部コストが掛かります。

採用戦略を立てるときには、自社のリソース(予算や採用担当者の人数、掛けられる工数)などをチェックし、どこにコストを掛けた方が求める人材を採用出来るのかをしっかり考えることが大切になります。

採用の成功は採用した人数ではありません。コストを掛けずに採用できたとしても、すぐに辞められたり見込み通りに活躍しなければ採用した意味はなくなります。

一度、これまでの採用手法を見返してみて、自社にとっての”採用コスト”と”採用工数”のバランスを考えながら、より採用が成功しやすい方法を探してみてはいかかでしょうか。

私たちCavitteではそれぞれの企業が求める人材を採用するお手伝いを致します。

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