新型コロナによる経済への影響により採用を控える企業が増え、沖縄県での有効求人倍率は令和3年3月で0.76倍と全国でワーストとなりました。企業側からすると採用しやすい環境と言えますが、より優秀な人材を採用するためには、やはり相応の採用コストが必要です。
それでは採用コストとは具体的にどういうもので、企業は一人あたり平均いくらかけているのか。そしてどのようにして採用コストを削減するかということについて解説します。
採用コストとは?
採用コストとは採用に関わる全ての費用のことを言い、大きく「外部コスト」と「内部コスト」の2つに分けられます。
「外部コスト」
外部コストとは、採用活動で社外に支払うコストのことです。具体的には、
- 求人広告掲載費
- 人材紹介会社への手数料
- 自社採用サイト等の製作費
中途採用のコストについては、求人広告媒体への掲載費、人材紹介会社への手数料が費用の大部分を占めており、また金額も大きくなります。特に中途採用に関しては求職者への認知度が採用の成功に大きく影響するため、求人広告掲載は最も主流な施策となります。ただ、各求人媒体には特徴があり、職種や業種、採用ターゲットによって最適な求人広告媒体は異なりますので、しっかり見極めて掲載することが大切です。
「内部コスト」
内部コストとは、採用活動で社内にかかるコストのことです。具体的には、
- 採用担当者の人件費(採用活動時間×時給)
- 面接官の人件費
- 面接者の交通費
内部コストは社内にかかるコストなので、正確に把握することは難しいのですが、意外と大きなコストになります。特に採用担当者の採用活動の時間については、募集要件の作成、求人広告媒体担当者との打ち合わせ、応募者受付、面接セッティング、選考結果通知、内定した場合受入の準備など多岐にわたり、採用担当者が他の仕事と兼任であれば多忙による心理的コストもかかってきます。
中途採用の平均の採用コストは?
マイナビが発表した「中途採用状況調査2021年版」によると、2020年の中途採用にかかった平均の費用(※1)は、50人未満の企業で162.7万円、50~300人の企業で322.4万、301~1,000人の企業で535.5万円とのことでした。これは全国規模の調査なので、沖縄ではそれぞれこの金額の30~50%程度と考えていいでしょう。
これを採用1人当たりでみると、50人未満の企業で62.5万円、50~300人の企業で56.5万、301~1,000人の企業で46.5万円でした(※2)。もちろん業種や職種によって平均費用も変わってきますが、人数が多い企業の方が効率的に採用できていることが分かります。
(※1)上記の費用は、求人広告、人材紹介、合同説明会、採用ブランディング、その他経費の合計
(※2)各カテゴリーの採用にかかった平均費用を、各カテゴリーの平均採用人数で割った額
ただし、こちらで報告された費用は外部コストのみなので、更に内部コストが追加されることになります。
採用コストを削減するには、コストを見える化すること
採用コストを見える化するには、以下の公式に当てはめます。
採用人数(従業員数×離職率)×(外部コスト(広告費等)+採用担当者の人件費+採用された人が独り立ちするまでの人件費+教育担当者の人件費)
ここで人事として必要な視点は、コストは採用活動のみではなく、その後の教育なども考慮することです。
この分解された公式のうちどこを重点的に削減するか考えます。例えば離職率を下げることができれば、採用する人数も減るので、採用コストが下がります。
また求人広告掲載を減らし、リファラル採用を増やす、またはアルムナイ採用を実施するなども考えられます。その他には採用担当者の業務をアウトソーシングし効率化するなどが考えられるでしょう。
効率の良い採用を目指す
企業としては採用にあまり予算を掛けられないのが実情だと思います。ただ予算をあまりに抑えてしまうと、スタッフの急な退職や事業計画の変更などによる突発的な採用が必要になったときに打つ手がなくなり苦労します。そうならないためにもある程度の採用予算は確保しておくことが必要です。
そして上記のように採用コストの各項目を見える化することできちんとチェックし、成果とのバランスを考えながら、採用を効果的、効率的に実施していけるような体制の構築をしていきましょう。
私たちCavitteではそれぞれの企業が求める人材を採用するお手伝いを致します。
人材要件や採用基準の設定、採用業務の一部代行、更には求人広告掲載など、企業が抱える課題に合わせた解決策をご提案致します。
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