採用が上手くいかないと悩んでいませんか?自社にとっていい採用を実現するための採用基準の決め方とは

「採用したが期待したとおりの活躍ではなかった」、「採用しても職場に合わずすぐに辞めてしまった」など採用に関する悩みは尽きませんよね。でもそれって採用基準が明確でないからかもしれません。いい採用を実現するためには採用基準を明確にすることがとても大切です。今回はなぜ採用基準が大切なのかを解説したうえで、採用基準の決め方についてご紹介していきます。

目次

  1. 採用基準とは
  2. 採用基準が大切な理由
  3. 採用基準の決め方
    1. 人材要件の定義
    2. コンピテンシーの設定
    3. ペルソナの設定
  4. 採用基準を決めるうえでの注意点
    1. アセスメントワードの定義とすり合わせ
    2. 人材要件を盛り込みすぎない

採用基準とは

採用基準とはズバリ「誰を採用するか」です。


「普通どの企業でも採用するときには基準を決めているでしょ」と思うかもしれませんが、多くの企業は採用基準を明確にしていません。あったとしても感覚的にぼやっとして、言語化されていないことがほとんどです。ではなぜ採用基準を明確にしていないのか。その理由としては、採用すること自体が目的になってしまい、何のために採用するのかという視点が抜けているからだと考えます。採用基準を明確にしていないと採用を失敗する確率が高くなります。

採用基準が大切な理由

「採用は失敗してはならない」

それが採用基準が大切な理由です。

私が以前勤めていた会社での話ですが、まだ人事に配属されたばかりの時に中途採用の面接を行いました。当時は面接もまだ慣れていない状況で基準も分からないまま、2名の方を採用しました。するとどうなったか…。

採用した2名とも一週間で退職してしまいました。
採用業務を担当した方は分かると思いますが、人を1人採用するだけでもいろいろな準備があります。入社資料の作成やユニフォームの用意、名札やロッカーの準備、現場ではシフトの調整も行っています。

さらに採用された方も、一週間で辞めたことで職務経歴にキズが付きます。

私はその後いろいろな人に頭を下げました。
そしてそれからは採用は適当ではなく、しっかり基準をもって見極めようと心に決めました。

もちろんこれだけではありません。例えば、人手不足のため焦って採用したことで、入社後の教育にも時間がかかり、逆にその上司が多忙になって休みが取れず、体調を崩して結局退職…というようなことになると会社にとっての影響は計り知れません。

以上のことから採用は適当に行ってはいけませんし、やるべきではありません。
しっかり採用基準を明確にして、自社が求める人材を採用しましょう。

採用基準の決め方

人材要件の定義

まずはどういう人材を採用したいのかという人材要件の定義を行います。その際3つの側面からアプローチしていきます。

①職務適応(能力的適性)
②職場適応(性格的適性)
③自己適応(態度的適性)

①の職務適応はその仕事を遂行するうえで適切な能力を有しているかという適性で、募集ポストで求められる業績(実績)は何かを考え、逆算して必要な能力を定義します。

募集ポスト → 求められる業績(実績) → 必要な能力

この場合の能力は、具体的な職務経験、スキル、知識、学歴、保有資格などから潜在能力まで含みます。そしてそれぞれの能力についてMUST要件(必須要件)とWANT要件(必須ではないが望ましいもの)に分けて整理していきます。

中途採用は顕在化している職務経験やスキルに、新卒採用や未経験者採用では潜在的な保有能力(IQなど)に焦点を当てて検討します。

②の職場適応は応募者が職場にマッチするかという性格的な特性のことで、③の自己適応は応募者の仕事の進め方と職種の適合性のことです。ただ、職場適応や自己適応は事前に明確に定義して、それに合致している人材を見極めるのは難しいため、面接やアセスメントを活用して把握し、個別に判定していくことになります。

コンピテンシーの設定

コンピテンシーとは再現性のある顕在化した行動特性のことで、現在は人事評価にも取り入れられている概念です。

コンピテンシーは自社で活躍している優秀な社員からその行動特性を抽出し、分析することで設定を行います。採用で活用する理由は、優秀な社員と同じような考えや行動特性があれば、将来的に高いパフォーマンスが見込めるからということです。

ここで重要なのが行動そのものよりも、「なぜそのような行動をとったのか」という決断をした理由です。なぜなら顕在化した行動を水面下で支えている能力(考え)を知る必要があるためです。

ただそれを判断するには事実を聞き出すことが重要なので、質問や手順を標準化するなど面接の構造化が必要です。

ペルソナの設定

募集ポストなどから設定した人材要件の定義、そしてコンピテンシーを基に、ペルソナ(求める人物像)を設定してきます。実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、趣味、特技、価値観、ライフスタイスなどリアリティのある詳細な情報を設定していきます。

求める人物像が具体的になると、その人が「知りたいこと」などがイメージでき、相手が「知りたいこと」を自社の魅力を盛り込んで、伝えることができます。

また企業にとっても求める人物像が共有され、面接時の意見の食い違いが減少します。

採用基準を決めるうえでの注意点

アセスメントワードの定義とすり合わせ

人材要件を定義する際に、その人を表す言葉について共通した定義を持つ必要があります。

例えば「コミュニケーション力がある」、「リーダーシップがある」、「自頭がいい」、「ストレス耐性がある」など人によって解釈が変わってくる言葉については、事前にすり合わせを行い定義を確認したうえで用いる必要があります。

人材要件を盛り込みすぎない

採用基準を下げてはいけませんが、必要な要件を盛り込みすぎると、応募が少なくなります。

ここで大事なのが後天的な能力はなるべく要件から外すということです。例えば「コミュニケーション力」や「リーダーシップ」はあとからでも伸ばすことができます。

募集するポジションによって変わってきますが、教育によって伸ばせるもの、努力すれば伸ばせるものはなるべく要件から外すことも意識しましょう。

私たちCavitteではそれぞれの企業が求める人材を採用するお手伝いを致します。

人材要件や採用基準の設定、採用業務の一部代行、更には求人広告掲載など、企業が抱える課題に合わせた解決策をご提案致します。

ご興味ある方は是非一度お問い合わせください。